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2025.1.21

マッサージが免疫機能に与える影響について

 巷ではインフルエンザが猛威を振るっていますね。
インフルエンザの予防には、ワクチン接種や手洗い、咳エチケット、人混みへの外出を控えるなどの対策が有効です。
ウイルスや細菌による感染症を防ぎ、病気を未然に防ぐには免疫力を高めておくことが重要です。免疫力を高めるには、適度な運動やバランスのよい食事、十分な睡眠、ストレスの軽減など、さまざまな生活習慣が大切です。
免疫力といえばマッサージが免疫機能に与える影響についても、いくつかの研究が行われていますので以下にいくつか紹介したいと思います。

1. マッサージと白血球(免疫細胞)の増加
研究内容:
マッサージが白血球の増加を促進し、免疫系を活性化する可能性が示されています。
具体例:
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究では、スウェーデン式マッサージを45分間受けた健康な成人の血中リンパ球が増加し、炎症性サイトカイン(IL-6)の減少が確認されました。これにより、免疫系が調整される可能性が示唆されています(Rapaport et al., 2010)。

2. ストレス緩和を通じた免疫機能の改善
研究内容:
ストレスが免疫抑制を引き起こすことはよく知られていますが、マッサージがストレスを軽減し、間接的に免疫機能を強化する効果があるとされています。具体例:
ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌がマッサージ後に有意に低下し、それに伴いNK細胞活性が改善されたという報告があります。この研究は、がん患者を対象に実施されました(Field et al., 2007)。

3. リンパの流れを促進し免疫力をサポート
研究内容:
マッサージがリンパ系の循環を促進し、老廃物や異物の排除を助けることで免疫機能を支えると考えられています。
具体例:
特にリンパドレナージュ(リンパマッサージ)は、浮腫を軽減し、リンパ節での免疫細胞活性を高めるとされています。これは、手術後や慢性的なリンパ浮腫患者で観察されています(Zuther, 2013)。

4. マッサージと炎症の抑制
研究内容:
マッサージが炎症を抑えるメカニズムについても研究されています。筋肉の炎症性サイトカインを減少させることで、炎症関連疾患や免疫抑制の緩和が期待されています。
具体例:
マウスを対象にした研究では、筋肉に負荷をかけた後のマッサージにより、TNF-αやIL-6の減少が確認され、免疫系へのポジティブな影響が示唆されました(Crane et al., 2012)。